遅咲きの恋

「何してんだよ……早く……」

「……昨日は結婚するなって言ってたのに、今日は違うんだ」


ポツリと呟いて。
貴方を真っ直ぐに見つめた。

唇が震えて上手く笑えない。

でも、笑顔を浮かべ続けた。


「それはっ……」


稜也はグッと拳を握って俯くと黙り込んでしまった。

震える貴方を見つめる。

本当は知っているんだ。

稜也が苦しんでいるって事くらい。

私を好きだと言ってくれた事も。
結婚をするなと言ってくれた想いも。

全てが本物で。

それでも貴方は私の幸せを想って身を引こうとしてくれている。
でも、このまま結婚をしても幸せにはならないと知っているからこそ。
迷って、苦しんで、考えているんだ。

どうしたら私が幸せになるのかを。

自分の幸せ何て二の次で。

いつも貴方は私を想ってくれた。

そんな稜也の気持ちを。
分かろうともせずに、知ろうともせずに。

私は貴方の傍にいたんだ。