それは、突然のこと。

いつも通り学校から綾人と帰っている時だった。

「ねーねー、あなた達歌い手って興味ない?」

「え?」 「は?」

え!誰?この人?綺麗な人〜
てか、歌い手!?知ってるもなにも、歌い手さんのファンなんですけど!

「あ、ごめんなさいね!私、東城 ゆいです。」

「えっと、東城さん。俺らになんかようですか?」

「あ、そうそう!
歌い手になってみない?」

「う、歌い手ですか!?
私、歌い手さん大好きなんです!
歌い手になれるんですか?」

「お、おい海!」

「なれるわよ!
今、東城アニメプロダクションは、声優やダンサーの逸材を探しているの!だけど、いきなりだと有名になるのもお仕事も厳しいから、歌い手や踊り手から始めようっていう企画なのよ!でも、スカウトは5人って決まっているの。」

へー!
「ん?でもなんでダンサー?」

「あー、それはねうちの会社じゃなくて、妹のところがダンス業界だから。」

「へー!」
「あ、そーいや親が朝のテレビでやってたって言ってたな」

「あの、私やりたいです!」

「ほんとに!そっちの君は?」

「お、おれは、まぁ親の許可とか必要ですけど、海がやるんなら…」

「ほんとに!今からおうち伺ってもいいかしら?」

「まぁ、大丈夫ですよ」