進展なんてものはない。 恋人らしいことなんて知ったこっちゃない。 これが普通。これが私たちの付き合い方だ。 「ヒロ」 「んー?」 「そこに置いてある部屋着取って」 ヒロがいる前でも、平気で着替えるのが当たり前。 まぁヒロは、着替えてるところを見ないようにはしてるみたいだけど。 「はいよー」 私の方を見ずに、ポイッと部屋着を投げる。 いつものことだ。そう。 ヒロは、私に興味がないのだ。