あの夏に僕がここへ来た理由




「海人さん、私は、別に海人さんが働かなきゃいけないなんて思ってないの。
ただこうして私の側に居てくれてるだけで、幸せを感じてちゃだめなのかな。

だから、このままここに居ていいんだからね・・・

この時代にいる間は、ここにいて・・・」


海人の目には、ひまわりの顔は泣くまいと必死に堪えているのが分かった。
ひまわりの手を握り「ありがとう」と言うことしかできない。

海人はひまわりをどう扱っていいのか分からずにいた。

ひまわりを愛している気持ちに偽りはない。
でも、簡単にひまわりを抱きしめたりする事はいづれは彼女を苦しめる。
そして、僕自身も・・・



すると、ひまわりの方から、海人の首に手をまわしてしがみついてきた。