海人にとって、自分のこの運命を受け入れるにはまだ時間が短すぎた。
そして、戦時中を生き抜いてきた海人はのんびりと悠悠自適に暮らしているこの時代の若者を、羨ましい反面幻滅もしていた。
しかし、海人はこの時代で、今を生きている。
自分が生きてきた時代に戻ることが叶わなければ、この場所で、この時を、生きていかなければならない。
海人は、半分は、覚悟を決めていた。
この時代の人間にならなくてはいけないと・・・
散歩から帰ると、ひまわりは夕飯の支度をしていた。
海人の姿を見て、ひまわりはホッとした顔をした。
「良かった・・・
すぐにご飯にするからね」
料理好きなひまわりは、海人のためにたくさんのご馳走を準備してくれていた。



