あの夏に僕がここへ来た理由




「海人さんが、ずっと片づけてくれてるの。
きっと、ひまちゃんのおじいちゃんも喜んでるよね。

あ、それと、今日は、さくらもちょっと手伝ったんだ」


さくらは楽しそうに海人を見て言った。


「なんで、お前が手伝うの? 

さくらももうこいつと友達になっちゃたわけ?」


良平は呆れたように、さくらに言った。


「お兄ちゃん、なんで海人さんのことをそんな風に言うの?
ひまちゃんの彼氏っていうだけで、気に入らないんでしょ」


さくらはひまわりと海人の味方のように見える。
良平にたてつくさくらが、ひまわりは頼もしかった。


「ひま、明日は一緒に海に行こう。

ここからちょっと先の海岸に行く予定だから」


良平はさくらの話は無視して、ひまわりにそう話した。


「うん、じゃ、海人さんも一緒に行く」



「あ、ごめん。
車が4人乗りだから無理だわ」


良平は、切り捨てるようにそう言った。