あの夏に僕がここへ来た理由





「この人は、木内海人さんって言います。

今、わけあってここに一緒に居るの」


ひまわりがそう言うと、


「二人はつき合ってま~す」


さくらが冷やかすように言った。


「そう、私達はつき合ってます。
そして、海人さんは私の大切な人です」


海人は、思いがけず、ひまわりのその言葉にときめいてしまった。


「木内海人です。

よろしくお願いします」


海人は良平と浩太の顔を見てから、深々と頭を下げた。

良平は、あきらかに、海人に対して不快感を抱いているのが分かる。


「木内さんも東京の人? 
ひまとは大学が一緒だった? 

二人の馴れ初めを聞きたいな~」


良平は、海人から目をそらさずにそう聞いてきた。