ひまわりは心臓がトクトク高鳴っていた。
「ありがとう。
そんなことをあまり言われたことがないからちょっとびっくりしちゃって。
でもすごく嬉しい」
顔の緩みが止まらないひまわりを見て、海人はホッとしたような嬉しそうな複雑な顔をして笑った。
するとひまわりは祖父が愛用していた麦わら帽子を海人にかぶせた。
鏡に映った海人は案山子のようだ。
ひまわりがくすっと笑うと海人は怒ったふりをしながら微笑んだ。
海人の一つ一つの仕草や声にこんなにもときめいている私・・・
もっともっと彼を見ていたい。
こんな気持ちになるなんて夢にも思わなかった。
ただ通りすがりに出会った二人なのに・・・



