あの夏に僕がここへ来た理由





朝から二人とも早起きだった。

ひまわりと海人は一緒に朝食の準備をし食事をすませ、そのあと海沿いまで散歩に行くことにした。

とても天気がよかったので、ひまわりは髪をおろして大きめの帽子をかぶった。


「ひまわりさんは、長い髪がよく似合う。

それにお化粧っ気がないことを気にしてたけど、僕は、僕はそのままのひまわりさんがいいと思います。

いいというか、そのままでもとても綺麗で、今まで僕が見てきた女性の中で一番素敵です・・・」


海人はそう言いながら照れくさくなった。
きっとひまわりのような綺麗な女性は褒められることにも慣れているのだろう。

海人は20歳になっても恋愛経験のない自分を情けなく思った。


今のこの時代の若者はきっと僕のようではないはずだから。