あの夏に僕がここへ来た理由




ひまわりは、首を横に振った。


「傷ついてもいいんです・・・

それでも、真実が知りたい。
海人さんにまつわることなら、何でもいいんです。

海人さんが遥か昔に生きていた証しを、見つけたいんです」


ひまわりはそう言って、サチに頷いて見せた。

サチも小さく頷いた。


「海人君のことが分かったら、私にも教えておくれ。
短い間だったけど、息子のように思ってたからね・・・」


サチはそう言うと、ひまわりに封筒を渡した。


「ひまわりちゃんに渡すから・・・」


それは、海人が働いた分の給料だった。


そして、ひまわりはさくらに会ってお礼を言った。
さくらには、海人は自分探しの旅に出たと嘘をついた。


さくらはひまわりのことを心配して一緒に泣いてくれた。


「海人さんは、必ずまた、ひまちゃんの所に帰ってくるから大丈夫・・・」