高台の公園から見える街の明かりがとても美しく、海人はしばらくずっと眺めていた。
これから、僕はどうすればいいのだろう?
考えれば考えるだけ不安が波のように押し寄せてくる。
海人はもう一度水道の蛇口をひねり冷たい水を口に含み更に蛇口を全開にひねり、流れ落ちる水の中に頭をつっこんだ。
ひとしきり水に打たれた海人は、ようやく頭をあげて顔を拭いた。
水の中で呼吸を整えながら何も考えずにいたせいで、少しは元気を取り戻せた気がする。
海人は丸めた上着をわきに挟み頭や顔を手ぬぐいでこすりながらベンチへ向かうと、息をきらしながら階段を駆け上るひまわりが遠くに見えた。
海人はまだ会って間もないこの女性が自分の運命を握っている大きな存在であることを少なからず感じていた。



