海人はひまわりの隣に座り、静かに寄せては返す波を見ていた。
「僕は、どうすればいい?」
海人は、ひまわりに尋ねてみた。
「ごめんなさい。
困らせるつもりは全然ないんだけど・・・
でも、一人の家で急に海人さんの声が聞きたくなったらどうしたらいいの?
海人さんに、連絡をとる手段がないんだもの・・・
民宿に電話するのもよくないことだって分かってるし。
ごめんなさい。
私ってどうかしてるよね。
明日になったら、また会えるのに・・・」
ひまわりの気持ちはよく分かった。
事実、僕が突然いなくなってしまったあの出来事は今でもひまわりを不安にさせていたから・・・
「じゃ、約束するよ。
夜の仕事が終わった頃、10時前位かな。
必ず、ひまわりに電話する。
外の道路沿いにある公衆電話から、おやすみの電話を必ずする」
海人はひまわりの手をとり、小指と小指を絡めて子供のように指切りげんまんをした。
ひまわりは笑いながら、海人の頬に軽くキスをした。



