海人は休憩を終え、通常の仕事に戻った。
ひまわりはバスの時間が来るまで、海人の部屋でのんびりすると言っていた。
ひまわりは、海人が帰りのバスの時間を聞いた時忘れたふりをした。
帰りたくない気持ちが明らかに顔に出ていることは自分でも分かっていた。
「海人さんの邪魔はしないから、しばらくここに居ていい?」
ひまわりは、海人の目を見ずに言った。
「うん、いいけど、暗くなる前にはバスに乗らなきゃだめだよ」
海人はひまわりの気持ちは痛いほど分かったが、今の自分は与えられた仕事を放り投げるわけにはいかなかった。
ひまわりは元気のない笑顔を海人に向けて「お仕事、頑張ってね」と言った。



