海人は、サチに30分だけちょっと外に出ていいかと尋ねた。
すると、さくらがサチとひそひそ話をしてから、こう言った。
「海人さん、海人さんがいない間、私がお手伝いをすることになったから、1時間休憩していいって」
さくらはいつもの人懐っこい笑顔で、サチに「よろしくお願いします」と言ってお辞儀をした。
海人はサチとさくらに感謝しながら、急いで下の海岸に向かって走り出した。
砂浜を下った先に小さな岩場がある。
そこには岩の洞窟があり観光客が好んで訪れる名所になっていたが、今日のこの時間は珍しく人がまばらだった。
海人は、すぐに、ひまわりを見つけた。
岩場に腰掛け帽子を押さえながら遠くを見つめているひまわりに、海人は再び心を奪われ、恋に落ちた。
そして、こんなにも心の奥底に根付いたひまわりを、一生離したくないと強く思った。



