「う~ん、どうだろうね、聞かない方がいいかもしれないよ。
でも、記憶喪失ってところで、私はそういう人に今まで会ったことがないから、そういうもんなのかもしれないね~」
海人は一瞬ためらったが、思い切って聞いてみた。
「あなたはね、最初に見た時も、今も、何も見えないし何も感じないんだよ。
普通は後ろの方でガヤガヤ音がしたり、話し声が聞こえたりがするんだけどね。
なんだかね~、あなたは不思議なくらいに無なんだよ。
初めてだね、こういう人は・・・」
「あ~、そうなんですか・・・」
海人はそう答えるしかなかった。
「ま、私のこの力もあてにならないから気にすることはないさ」
「はい」
海人は気にしていない顔を装ってはいたが、心の中はかなり動揺していた。



