海人の「民宿あおさ」での初めての朝は、慌ただしく始まった。
この日は三組の宿泊客が来るということで、海人は玄関とその周りの掃き掃除をし水を撒いた。
打ち水をするということは、夏に涼しさを演出することと場を清めるという昔からの言い伝えがある。
海人はあらゆる面で少しでも自分らしさを失わずに、この時代に順応していきたいと思った。
ここには、朝顔が蔓を巻いてたくさんの花を咲かせている。
海人は、ひまわりの家の庭にたくさんの花の種を蒔いた。
しかし、綺麗な花を咲かせるさまを僕は見ることはないだろう。
その頃に満開になった庭を見て、ひまわりは僕のことを思い出してくれるだろうか。
海人は、昨夜、サチとたくさんの話をした。
サチは小さな頃から不思議な能力があり、会った人の人となりとかご先祖様がたまに見えたりするんだと、笑いながら話してくれた。
そして、たまに、サチは海人を凝視して首を横に傾ける仕草をする。
海人は恐る恐るその理由を聞いてみた。



