あの夏に僕がここへ来た理由




私は、ひまわりという名前が嫌いだった。
小学生の頃、クラスでひまわりを育てたことがある。
その時に、ひまわりの育て方と特性を学んだ。
ひまわりは、いつも、太陽ばかりを見ている。
太陽の行く方ばかりを首を振って追いかける。
その切ない特徴のせいで、ひまわりは日当たりが悪いと大きく元気になれなかった。


その頃の私の太陽は、父だった。
父の事が大好きで、父の後ばかりをついて回っていた。
父が家を出てからは、私は以前のように笑えなくなった。
そして、今の私はそれ以上の悲しみに打ちひしがれている。
海人がいなくなった今の私は、首が折れて枯れてしまったひまわりと同じだった。


ひまわりは時間が経つのも忘れベンチに座っていた。

そこでじっとしていると、もしかしたら海人は過去へ帰ってしまったのかもしれないと思えてきた。
働くために出て行ったのではなく、お母さん達の元へ戻ったのだと・・・


私がどんなに海人と一緒にいたいと願っても、どの道、海人は私の元から離れていくのだろう・・・

だけど、どうしても、海人に会いたい。
どうすれば、もう一度、海人に会えますか?


ひまわりは涙で濡れたままの顔で捜すあてもなく、ただ、そこにずっと座っていた。