ひまわりは一睡もできなかった。
ひまわりのことを心配したさくらは、家には帰らずひまわりの隣で寝た。
ひまわりは、さくらがいてくれたおかげでどうにか正気を保っていられた。
そして、朝日が昇ると同時に、ひまわりは身支度を整え寝ているさくらを起こさないように、玄関へ向かった。
「ひまちゃん・・・」
さくらは寝ぼけた声でひまわりを呼んだ。
「さくら、私、海人さんを捜しに行ってくるね。
さくらは家で待っててくれる?
もしかしたら、海人さんがここへ帰ってくるかもしれないから。
さくら、心配させてごめんね」
「ううん、大丈夫。
何かあったら、すぐに電話するね」
さくらは小さい時からいつもひまわりを困らせてばかりいたが、気がつけば、必ず、ひまわりの味方でいてくれた。
さくらが側にいてくれて、本当に良かった・・・
外に出ると、朝日がとても眩しかった。
ひまわりは焦る気持ちを抑えながら、海人と出会ったあの公園へ向かって走り出した。
きっと海人はあのベンチで夜を過ごしたに違いないと思い、ひまわりは途中のコンビニで2人分のおにぎりと飲み物を買って一目散に走った。
森を超えた先に階段が見えてきた。
ひまわりは、最後の力を振り絞りそこを上りきった。
「海人さん、いる? 海人さん・・・」
ひまわりは肩で息をしながら大きな声で海人を呼んだが、そこは静まり返っていた。
ひまわりは恐ろしいほどの胸騒ぎを感じ、立ち尽くしてしまった。
海人は、ここにはいない・・・
しんと静まり返った誰もいない早朝の公園で、ひまわりは自分の存在がなくなっていくような喪失感を感じた。



