今、俺の手元にはAが持っていたキーホルダーがある。

安物のキーホルダー。

俺が買った、ただのキーホルダー。

Aのおかげで、これは呪いのキーホルダーになった。

ゴミ箱を漁ったり、合鍵作って部屋に忍び込んだり、録音した声を聞かせたりと、 色々努力した甲斐があった。

Aが単純な男で、本当にやり易かった。

これで、俺のコレクションがまた1つ増えた訳だ。

『呪いのキーホルダー』

ちゃんと曰く付きの、実際に持っていた人が死んでいる、ホンモノだ。