【短編】ベランダを超えて




「今日はあの子と一緒じゃなかったんだね。」

「うん。用事がある、って。」

「ふーん。」

わたしの歩幅に合わせて歩いてくれる。

そんな優しさも、わたしがいっくんの事を好きな理由のひとつだ。

嬉しくて別の世界にトリップしてたもんだから、「彼氏?」も聞かれた時には転けそうになってしまった。

なんだか、しれっと聞いてくるいっくんに腹が立つ。

「彼氏だったら?何?どうかした?」

「ううん、どうもしない。」