【短編】ベランダを超えて



『じゃあ今日はこれで終わります。おつかれさまでした。』

あれから何度目の委員会か忘れたけど、委員会のある水曜日は必ず滝瀬くんが家まで送ってくれる。
はじめは断ってたけど、断らせてくれないからあきらめた。

たまにいっくんと家の前で鉢合わせることも多々あった。

わたしはいつものように玄関で滝瀬くんを待っていた。

「南さん、俺、今日ちょっと用事があって。一緒に帰れないや。」

彼は忙しそうにローファーに履き替えて手を振って走って帰っていった。