【短編】ベランダを超えて



意味深な言葉を呟いてて、滝瀬くんはわたしに犬みたいな笑顔を見せた。

「それってどういう……」

わたしだって、そこまで鈍感じゃないし、その言葉の意味も、ちょっとは分かる。

だめだめ。自意識過剰だよ。

「ん?また明日ね。」

彼はひらひらと手を振って帰っていった。

その後ろ姿を見ながら、ああモテるってこういう人のことを言うんだなあと不覚にもドキッとした。