【短編】ベランダを超えて



「ち、ちがうもん!」

ニコニコ笑ういっくんに必死に抵抗する。

ふと、季子の言葉が頭をよぎった。

『1回言ってみなよ、キスして、って。』

思い出して、また顔が赤くなる。

「何考えてんの?あ、もしかしてあんな風にちぃもしてほしい?」

なんていっくんが聞いてくるから、ヤケクソで言った。