【短編】ベランダを超えて



「頑張ってね。」

いつもの笑顔で微笑むと、彼は帰路に足を向けた。

「あっ、でも諦める前にこれだけ。」

振り返ってまたわたしのところへ帰ってくる。

なんだろう、と思っていると腕を引かれて滝瀬くんの腕の中にいた。

「もうこれで終わりにするから。ごめんね、困らせて。」


そう言って今度こそ彼は帰っていった。