夏を殺したクラムボン




公園の前に立つと人影の後ろ姿が見えた。



公園は成海の背丈ほどの滑り台のほか、二人掛けのベンチが設置されているのみで、荒れた雰囲気を漂わせている。滑り台に浮いた錆が、長い年月を物語った。



蝉の合唱が轟く。



その人物は公園の隅のある1点を凝視し、成海が背後で立っていることにも気づいていないようだった。



公園に足を踏み入れた瞬間枯れた草が乾いた音を鳴らし、人影は俊敏な動きで振り返る。風が止み、息を呑む音が響いた。



「……なる、み」



成海はあくまで無表情のまま、3歩人影に近づいた。



「ここに来たってことは、やっぱり昨日の猫を殺した犯人だったんだ」



木々がざわついた。1つ歩を進めるたび、その人物は後ろずさり、歯を食いしばって成海を睨みつける。



「放課後、1人でこの公園に来たってことは、犯人だという証拠になる。猫の殺害場所を知っているのは犯人だけだから」



追い詰められた人物は、鬱蒼と茂った草を背後にして狼狽える。





より一層 勢力をあげ、
蝉の大群が空気を震わせる。





「猫が死んだのは昨日のことで、雨も降っていないから、少し探せば殺害の痕跡はすぐに見つかるはず」



成海は1メートルの距離を挟んでその人物と向かい合い、自分よりも背の高い長身を見上げ、言った。















「やり方が汚いんだよ。窪田」