夏を殺したクラムボン




人影が立ち止まると成海も合わせて止まり、人影が軽く走ると成海も距離を置きながら駆けた。夏の陽の逆光で、人影の顔は見えない。



その人物は唐突に曲がり角を曲がった。待ち伏せに意識を傾けつつ、成海は曲がり角まで走り、ゆっくりと中を覗く。



人影は奥の曲がり角を曲がったところだった。



見失わないように距離を縮め、いくつもの角を曲がり、人影を追う。やがて、広い道に出た。隠れる場所があまりなく、仕方なしに70メートルほど人影と離れる。



見失わないかと不安が脳裏をよぎったが、人影はある地点の前で歩みを止めた。



そこは神社の裏にある草木の生い茂った小さな公園だった。人目につきにくい場所らしく、成海の居場所からでは公園の中が見えない。また、周りは柵で囲まれた畑や田んぼで囲まれているため、一目見ただけではそこに公園が存在していることすらわからなかった。






公園の中から、気が狂いそうなほど
騒がしい蝉時雨が聞こえる。






人影は公園を前にためらっているようだったが、やがて意を決したように進んでいった。



……通学路の途中の空き地から、あそこまで運んでいって殺したのか。



建物の陰から姿を現し、成海はもう姿を隠すことはせず、犯人の待つ公園へと歩いていく。