夏を殺したクラムボン




1限目が始まっても空気が落ち着くことはなく、理科の教師は何度も生徒たちを注意する羽目になった。けたたましい蝉の声も相まって教室は異常な雰囲気に包まれていた。



給食時間には沢田に聞こえないよう、殆どの生徒が給食を食べながら小声で言葉を交わし合う。



成海、周、詩織のいる1班は会話をせず黙々と白米やカレーを食していたが、成海が食べ終えたタイミングを見計らい詩織が2人に話しかけた。



「ね、朝のメッセージさ……2人は書いたの、誰だと思う?」



箸を片付ける手を止め、成海は詩織の言葉の真意を図る。



「……さぁ。どうでもいいよ」

「そんなこと言ってるけど、ほんとは成海じゃないの?」

「そんなことをする理由はない」

「でも、昨日……まぁいっか。あれは2人の秘密だから、ね」



詩織は箸を置き、顔を横に向けた。



「じゃあ、あれ書いたの、葉月さん?」

「……私じゃない」

「そっか。……じゃあ、誰?」



給食時間の終わりを告げる、荘厳なチャイムが鳴り渡る。



2年4組のざわめきは午後の授業はおろか、終礼の時刻になっても衰えることはなかった。