夏を殺したクラムボン






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翌日、教室の扉をくぐった成海は、黒板を指差して騒ぐクラスメイトたちを一見した。



「誰だよ、あれ書いたの!」

「クラムボンへのメッセージ?」

「中二病?ちょっとヤバくない?」

「これ、反応するのかな」



異様なまでの喧騒だった。



1歩教室に入った成海は、昨夕に字体を変えて黒板に書いた赤いメッセージを再読する。









【証拠もある

 全員にばらされたくないなら
 今日の放課後
 1人で猫を殺した場所に来い】









成海は黒板の前を横切り着席するが、騒音は一向に止む気配がない。



「あれ誰の字?誰かわかんねーの?」

「あんな字書く奴なんかいないよ。一回も見たことない」

「別のクラスの奴とか」

「いや、明らかにこのクラスだよね」

「絶対誰も先生に言うなよ!」



成海の登校に感づいた窪田は、赤い顔で興奮しつつ窓際の最前席に駆け寄った。



「成海、見たか!?あれ……」

「見た。誰だろう、書いたの」

「成海じゃねえの?みんな疑ってるけど」

「まさか」



そのうちに周も姿を現したが、いつもなら全身に突き刺さるはずの視線も今日ばかりは感じることがなかった。