6限目が終了した。
終学活の時間を迎えたクラスメイトたちはそれぞれの机の上に生徒鞄を置き、沢田が教卓で読み上げる連絡に耳を傾ける。
「まぁ、連絡はこれくらいかな。あぁ、今日の放課後……成海と葉月は残ってくれ。第二理科室で詳しい話を聞くから」
チャイムと同時にクラスメイトたちは立ち上がり、終礼を待つ。莉央が号令をかけた途端に半数の生徒が扉へと突き進んでいく。
成海は足早に沢田に歩み寄ると、口を開いた。
「関係者は僕と葉月だけじゃない」
「ん?それはどういう……それは他にもいるってことか?」
成海は教室に響く程度の音量で人物の名前を告げた。
「……真木 莉央も、関係者だ」
「はっ?」
半分、身体を廊下に出していた莉央は立ち止まって振り返り、成海をねめつけた。
「わたし?関係ないでしょ?何言ってんの?」
成海は莉央の低い声に動じることもせず、淡々と言葉をあざなう。
「葉月の机に字を書いたのは真木だろう」
夏の午後に似つかわしくない、冷え冷えとしたどよめきが室内に生じる。
莉央は唇を噛み締めていたが、小さく舌打ちをし教室にとどまった。
沢田は信じられないとでも言うように目を見張って莉央を眺めたが、戸惑いながらも
「……第二理科室へ先に行っててくれ」
と呟いた。



