小柄な莉央は周のセーラー服の裾に手をかけ、顔を覗き込むように目を向ける。
……やめて
必死に腕や足を振り回すが、それは意味を成さず虚空を切る。
「やめて」
全員が周に注目している。
「やめて!」
莉央は両手に力を込め
「やめてよ!!」
周のセーラー服を
「やだ、イヤだ!!やめ……」
めくりあげる
「いやぁあああぁああああ!!」
高く長い、声にならない悲鳴が空気を裂いた。クラスメイトたちは息を呑む。周の白い肌と白い下着が露わになる。
周の細い腹にあったのは
無数のミミズバレの跡と、
タバコを押し付けられたような
白い円形の傷跡だった。
涙声の悲鳴は徐々にすすり泣きに変わり、2人の女子は目を見張って手を放した。
支えを失った周は崩れ落ちた。
赤い手が床につく。
「……こいつ、父親に虐待されてたんだって」
沈黙に、感情のない莉央の声が広がった。
「これが何よりの証拠だよ。虐待されてたから、抵抗のできない小動物にばっか八つ当たりしてたんでしょ?」
生徒たちの驚愕に染められた視線は疑惑、軽蔑へと少しずつ形を変え、周に注がれていく。



