夏を殺したクラムボン










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翌日の空に雲の模様はなく、どこまでも青々とした空間があまねいている。



K中学校の生徒たちは夏休みを前にし、沸き立った熱に浮かされていた。今年の最高気温にまで達した空気がじりじりと彼らの肌を焼き、蝉時雨がこだましている。



全校生徒が男女別の出席番号順に並べられ、体育館の温度が上昇し、数人が保健室に運ばれるまでになった。



長ったらしく続けられる校長の話を聞きつつ、成海は手の甲で額を拭う。塩辛い水分で、手の甲が濡れる。



うだるような暑さの中に閉じ込められ、軽いめまいと吐き気がした。



「……えー、この1学期は、痛ましい事件もありました……」



校長は目を伏せ、淀むことなく悔やみの言葉を述べていく。生徒たちの大半は校長の声を聞いてはおらず、前後の友人と言葉を交わしながら夏休みのスケジュールを立てている。



「……では、彼に黙祷を捧げましょう。起立」



掛け声に合わせ、全校生徒が緩慢に立ち上がる。成海もゆっくりと腰を上げ、目をつぶった。



「黙祷」



静寂が広い体育館に響く。



成海はそっと目を開け、足元の木目を見つめた。






……葉月。河野。窪田。真木。
浜田。小動物。



かわせみは、誰なのか。






汗がこめかみを伝う。