女子達の質問を適当にごまかしながら、自分の席に向かった。

「はぁ・・・」
思わずため息が出る。


――本当は私と翔、付き合ってる訳じゃないんだよね。小さい頃からの知り合いで、たまたま一緒に登校してるから、デートだって勘違いされてるみたい。

そもそも、私HAYATOさんと一応付き合ってるしね。


「ねぇ美羽、数学の課題見せて。一個だけどうしてもわからなくて・・・」
と、樹理が言ってきた。

「課題?しょうがないなぁ、いいよ」


「ホント!?美羽、ありが・・・「ただし、条件があるの」」
樹理の言葉をさえぎって、私はこう言った。


「いいけど、どんなの?」


そして私は、樹理に条件を伝えた。





それを聞いた樹理はだんだん顔が青ざめていき・・・
「――無理だよ、そんなの」
震える声で答えた。

「そう?樹理にならできると思ったんだけど」






「でも・・・」
震える声で樹理は続ける。


「それが美羽の役に立つなら、やるよ」
精一杯の笑顔で答えてくれた。


「樹理、ありがとう.
それじゃあ、今日の放課後実行してね」

『キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーンコーン』

「うん、わかった。
それじゃ、席に戻るから」
少し無理のある笑顔だったけれど、いつもの樹理に戻っていた。
あ、そろそろホームールーム始まっちゃう。

急いで準備を始めた。