――次の日、家を出ると樹理と幼馴染の水沢 翔(ミズサワ ショウ)と合流した。
「おっはよー!ねぇ美羽、『恋色でいず』面白かったよ!!」


「ホント!?」


私の言葉にうんうん、とうなずく樹理。


その隣で、翔は眠そうにあくびをしてる。
「翔もおはよ」


「ああ、おはよう」



私、翔、樹理の順にならんでゆっくりと歩き始める。



「あーあ、今日からまた学校かぁ」
樹理が大きなため息をつく。


「あ、そろそろ定期考査だな」
翔が思い出したようにいった。

その言葉に、樹理があっ!!と叫ぶ。
「どうしよ。全然対策してない・・・」



「美羽~。今回も「嫌だよ」」


「そう・・・・・・」
樹理の言葉をさえぎって言った私の返事にガッカリする樹理。


私と樹理のやり取りに「?」といいたそうな顔をする翔。


私は話のわからない翔に慌てて説明をする。


「樹理が今回も美羽、ノート見せて~って言うから、嫌だって断ったの」
私の説明に、樹理は「なんだ、ばれてるのか」と呟いた。


そんな会話をしているうちに、あっという間に校門前に。
「ねぇ、見て見て。天野さんと水沢くんが朝からデートしてる~~」
「きゃー、やっぱりうらやましい~」
「翔先輩、今日もかっこいいです・・・」
あちこちから聞こえる女子の声。
そういえば、翔って女の子に大人気で、ファンクラブもあった気がする。


「相変わらずモテモテだねぇ~。桜木学園(サクラギガクエン)の王子様」



私達が通ってる学校、桜木学園。
私立の学校で、エスカレーター式&制服もかわいいので、私の周囲のだいたいの女子はここを第一志望にしていたらしい(といっても、半分以上は落ちたけど。私と樹理が合格したのが奇跡)。


「行こっ、樹理」


私は樹理の手をとると生徒玄関に入った。




「幼馴染みがモテモテでやきもちですかぁ??」