喫茶よもぎ屋のマスターは
立派な口ひげを生やし、体躯もなかなかのものである。

しかし、人当たりはまろやかで
この店の出すナポリタンの風味は、
なるほどこのマスターの人柄が
なによりの隠し味なのだなと
改めて思った。

なにより喫茶よもぎ屋は、
お客に愛されている。

昼ごろには(さほど広くはないが)
15席ほどの店内は
常連客で埋め尽くされる。



しかし、学校帰り頃には
ちょうど客足も落ち着き
店内には落ち着いたムードが漂う。


そんな喫茶よもぎ屋に
いつもよく二人で来ていたのだった。

イモムシと私。

「イモムシのくせに何をパスタすすってんだよ。」
「近寄るなよウニュウニュしやがって。」
とか、よく暴言を吐いて喧嘩になっていたっけ。
それもそのうち良き思い出になるのかな、、