あなただけを思い続けたかった。(仮タイトル)


そんな伝えかたされてもわからない・・・。

「ちょ!杏子の隣に座った!」

いきなり小声でさっきよりも興奮気味な桃子につられて私も小声になる。

「え?!」

慌てて隣を見るけどそこにはちょっとさえない男の子。

「そっちじゃない!!!」

「あ、こっち?」

反対側を見ると、

「っ!!!!」

「ね?!かっこいいでしょ?!」

桃子が言っていた“なるせ先輩”は・・・

「え!里依紗ちゃんの弟?!」

はっ。思わず多きい声出しちゃった。

あ、そうだ里依紗ちゃんって“成瀬”って苗字だった。

里依紗ちゃんとは私のお姉ちゃんの親友のこと。
家に来たりお泊りしたりすることが何回もあったから結構仲良し。

お姉ちゃんの部活の優勝の祝勝会についていったときに1度だけ会ったことがある。確か私が中学1年生で、あっちが2年生だったはず。

私の声が聞こえたのだろう。成瀬先輩は私の方を向いて驚いた顔をした。