桃子の指をたどって見るけど、人が多くてわからない。

「どれ?」

「いま、笑ってる!かっこいい~」

うーん、わかんない。

「なるせ先輩が試合してるときに教えてよ」

「わかった!先輩はバスケに出るみたいだから!」

そんな情報どこで集めて来るんだろう。

『各チーム1年生を先頭にして種目別に並んでください。』

体育委員長の指示が飛ぶ。

「桃子!行くよ」

私たちもチームのところに行って並んで座る。

「杏子!!やばい!成瀬先輩がこっち来てる」

「え?どれ?」

いまだに分かっていない私。

「ほら!どの人よりも輝いてるじゃん!」