あなただけを思い続けたかった。(仮タイトル)


いまは夜ご飯も食べ終わり自分の部屋にいる。

そういえばもうすぐ夏休みだ。

私の誕生日もすぐくるな〜
瑛人先輩プレゼントくれたりするのかな
いや、まず私の誕生日知らないか
の前に花火大会あるじゃん!
一緒に行けるかな〜 行きたいな〜

ー ♬~♬~♪

電話だ。

ディスプレイを見ると"成瀬瑛人"と表示されていた。

「もしもし」

『もしもし 声聞きたくなって電話した』

きゅぅぅぅぅぅーん!!!

そんなこと言われると私の心臓がもたない

「わ、私も声聞きたいなって思ってたの」

『嬉しい。あのさ、夏休みなんだけど』

デート?!

『俺、部活が忙しくて一緒に入れそうにないから先に言っとこうと思って』

上から落とされたような気分
勝手に期待したのは私なんだけど

「そうだよね。忙しいよね。花火大会の日とか部活終わってから一緒に行けたりしないの?」

『うーん、もしかしたら練習試合とか入るかもしれないから厳しいな。ごめん』

「そっか!仕方ないね。私のことは気にしないで部活頑張ってね!」

『杏子も部活頑張れよ』

「うん、ありがとう」

『じゃあまたあした!おやすみ』

「おやすみ」

ー プーッ プーッ プーッ

「…はぁ」

盛大なため息をつく。
"またあした"
本当に来るのかな。
直接会えないし話せない。こんなの"またあした"じゃないよ

夏休みデートしたかった
花火大会一緒に行きたかった

部活なら仕方ないけど残念だな

これを瑛人先輩に言えない私が悪いんだけど嫌われるのが怖くてどうしても言えない。