それから1ヶ月がたち今は7月。
今日は桃子も私も部活がない日。
放課後暇だったのでファミレスにいる。

きょうも瑛人先輩とは帰れなかった。

瑛人先輩とメールのやり取りは毎日してる。けど・・・

「ねぇ、カップルって毎日じゃなくても一緒に帰ったり、休みの日はデートしたりするもんだよね?」

「何急に。」

「うん。中学のときの仲のいい友達から相談されたんだけど、私そういう経験がないからわかんなくて。それで、桃子に聞こうと思ったわけ」

桃子に内緒にしていることがとても心苦しい。だけどまだ言えない。
それに1ヶ月経ったけど付き合ってるような実感がない。
学校ではなかなか合わないし、会っても話せない。デートなんてそんな言葉すら出たことないし、一緒に帰ることもない。私、ほんとに瑛人先輩の彼女なのかな・・・。

「そうだね。好き同士ならするんだろうけど。でも・・・私の意見何か参考にしてその友達に伝えちゃだめだよ?」

「え?どうして?桃子彼氏いるでしょ?十分参考になるよ。」

「・・・」

私がそういうと桃子はばつの悪そうな顔をして黙り込んでしまった。

「桃子?」

「ごめん。杏子・・・私、別れたんだ。」

「え・・・。あっだからこの前元気がなかったの?」

「それもある。」

それもあるってことは他にもあるのかな?
無理に聞くことはできないな

「杏子に黙っててごめんね」

どうして気づいてあげられなかったのかな。桃子は知らないとしても私だけ瑛人先輩と付き合えて浮かれて。私デリカシーなさすぎ。

「私も話し聞いてあげたらよかったのに。ごめん」

「杏子は優しいね。」

「そんなことないよ。桃子は私の親友だと思ってるからだよ。私なんてほんと嫌な人間なんだから。」

「私も。杏子がどんな人であろうと私の親友は杏子だよ。だいすき」

「桃子が素直過ぎて気持ち悪い。」

「ひどい!優しいなんて撤回する。」