午後の授業も杏平と成瀬先輩のことを考えてたら、あっという間に放課後になってしまった。
「部活行かなきゃ」
きょうの体育館の半面どっちが使ってるんだろう。バスケ部だったらかなり気まずいんだけど。
私の学校には体育館を使う部活が3つある。私たち女子バレーボール部と成瀬先輩と桃子がいる男子バスケットと女子バスケット部。この2つは一緒に練習している。あとはバトミントン部。この3つでぐるぐる回して体育館を順番に使ってる。
私は練習の道具を部室に取りに行って体育館に向かう。1年生だから早く来なきゃいけない。部室の鍵も1年生が持つことになってる。
「どうか、隣が男バスじゃありませんように。」
聞こえないようにお願いして体育館に入る。
バレー部はまだ誰も来てない。
隣は・・・・・
—— シュっ
ボールがバスケットゴールにきれいに入る音がした。隣のコートを見ると、きれいに弧を描いてシュートを入れる成瀬先輩がいた。
「神様、私を見捨てないで。」
隣が何部でも私個人の問題なので準備はしなきゃ。私情を部活に持って来たらいけない。
私は1人で黙々と準備を始める。
他にも1年生は4人いるけど、まだ授業中だろう。他のみんなは頭がいいから普通科にいる。普通科だけは朝課外と夕課外がある。1日8時間授業のようなもんだ。私には耐えられない。
「お!杏子、一人?手伝うよ」
そう言って成瀬先輩がこっちに来た。
「大丈夫だから!成瀬先輩は自分の練習してよ。」
さっきのことが蘇ってきて恥ずかしい。
「・・・。瑛人だってば。そんなに俺にいじめられたいの?」
「あー!ちがう!え、瑛人先輩はご自分の練習をなさってください。」
名前で呼ぶのに慣れないよ~
「はいはい。手伝ってほしいときは言えよ」
先輩は走って反対側のコートに戻っていった。
「・・・ふぅ~」
誰も来てなくてよかった。



