あなただけを思い続けたかった。(仮タイトル)


「ちなみに、隣にいるのは彼氏?」

と、杏平の方を見る彗先輩。

「あぁ、違いますよ。俺は杏の幼馴染の綾野杏平です。」

「あ、そうなんだ。よろしくお願いします。」

この二人何か似てるな。

「あ、俺きょう部活さぼってるからこのことは内緒ね」

「わかった」

「じゃあ、お邪魔しました」

そういうとあっという間に去っていった。

「何かごめんね・・・」

「俺は大丈夫。楽しそうだね杏の高校」

「楽しいよ。杏平も楽しいでしょ?」

「たのしいな。男ばっかでむさくるしいけど」

こうしてまた杏平と話せるようになったことがうれしくてたまらない。
杏って呼ばれるたびにドキってするこの心臓。
そうだよ。私は今でも杏平が好き。成瀬先輩なんて好きじゃない。

「あ、俺向こうに友達いるみたいだから行ってくるわ」

「うん、またね」

「おう!またな。杏、気を付けて帰れよ。」

そう言って杏平は行ってしまった。

「行っちゃった。」

楽しかったな。

杏平との会話の余韻に浸っていると家の最寄り駅に着いた。

―――『南川駅です。お降りの方はお忘れ物のないようお気を付けください。』