【杏子】なんて呼ばれなれてるはずなのに、ドキッとした。
「う、うん。ばいばい」
というか、成瀬先輩は先輩なのに私ため口で話しちゃってるし。
ドキドキをなんとかおさめて桃子のいる靴箱へ向かう。
「桃子!おまたせ」
「成瀬先輩いた?」
「うん、いたよ。ちゃんとお礼してきた」
「じゃ、帰ろっか」
「うん」
私たちは駅に向かって歩き出す。
「ていうか!!!私、成瀬先輩に“桃子”って呼ばれちゃった。」
「そういえばそうだったね!よかったじゃん!」
そうだよ。私の【杏子】なんて先輩にとっては何てことない普通のことだよ。
ドキドキする必要なんてない。
「うれしいなぁ~。ほんと、遊んでない人だったら好きになってたよ。」
「遊んでる人はだめだよね。」
「私の彼氏はまともな人だけどね」
「あ!そうだよ!私桃子に彼氏いたなんて知らなかった!詳しく教えて。」



