あなただけを思い続けたかった。(仮タイトル)


―――ピーっ!

試合開始を知らせるホイッスルが鳴る。

『各チーム整列してください』

先生の指示を聞き、1回戦のチームが並び始める。

「おーい!木村~」

上の方から私を呼ぶ声がしたので見上げてみる。

「え?!なんで?!」

そこには笑顔で私に手を振る成瀬先輩がいた。

「お前、バレー部なんだから絶対勝てよ~」

や、やめてほしい。他の女子様方の視線が怖い。

「わ、わかった。じゃっ!」

とにかくみんなからの視線が怖かったので一方的に会話を終わらせる。それにあっちには荒木先輩が・・・

恐る恐る反対側のコートを見てみると

「!!!」

私をしっかりにらんでいる荒木先輩がいた。私と目が合うとにっこりと笑顔になる。その笑顔もまた怖い。