弱虫男子

「だぁいじょうぶぅ?」


振り向かないヤスの代わりに、

ナオミが甘い声を出した。



「ナオちゃん優しいな。」



本当は全然痛くない頭を

撫でてくるナオミの手を

傷つけないように

そっと立ち上がる。



もうナオミの手は届かない。



「だって…特別だもん。」



意味ありげに見上げてくるナオミに

お礼のような気持ちで、

ポンポンと頭を撫でてやる。