弱虫男子

”なに?”

って吹き出しがでそうな表情で

首をかしげる。



”なんでもないよ”

という吹き出しをイメージして

軽く手を振ると、


彼女は安心したように前を向いた。



すぐにお揃いで買った

シャーペンが動き出して、

手首から先だけが、


逃げ回る小動物のように見えた。



いつまでたっても彼女は手を休めないので、


俺も真似して黒板を写した。