弱虫男子

「ちょっとちょうだい」


ひな鳥みたいに開いた口に

食べかけのパンを突っ込んでやる。



やっぱりヤスは

俺のパンを欲しがってくれた。



なんだか救われた気がする。


意味わかんないけど。



俺のパンを自分のもんみたいに

頬張っていたヤスが

いきなり大声を出した。



「クリスマスだぜ!

なんで俺らバスケばっかやってんの!?」


「バスケ部だからだろ。

クリスマスまだ先だし。」


ヤスのとなりを歩いていたのぶが

みんなの気持ちを代弁してくれた。



でもそんなことおかまいなしのヤスは

しゃべり続ける。