弱虫男子

しばらくして満足したヤスは、

立ち読みしている他のやつらにも


俺にもちゃんと声をかけて外に出る。



いいやつだよ。ヤスは。



立ち読みを粘る二人に苛立ったヤスが

乱暴にドアを押し開けて出て行った。



「こらこらっ」



俺はドアが開き過ぎないように

とっさに腕を伸ばしていた。



そこに写った自分は、

どうしようもなく男を感じさせて



気持ち悪かった。