弱虫男子

彼女の手のひらに

ネクタイを落とす。



「これでいい思い出にできるよ!」



と言う彼女の笑顔は

ちょっと大人びていて


俺は長い間彼女を

苦しめてきたことを知る。



それから、もう俺は過去の人

になっていることも


わかった。



俺のネクタイを締めている

彼女の頭に


恐る恐る触れてみる。



俺の手か、

彼女の身体か、


どちらかが震えていた。