弱虫男子


”卒業バスケ”をしに

ヤスは先に行ってしまった。


慌てて追いかけたけど、

もう彼の姿はない。


体育館に向かう途中、

この道も最後だなと思ったら


また泣けてきた。



「泣き虫!」



懐かしい声が鼓膜を揺さぶる。


振り向くとそこには

ナオミがいた。



「ネクタイちょうだい?」



彼女とこうやって向き合うのは、


あれから初めてだった。