弱虫男子

わかってるよ。


俺が心を開いたからって

彼女にまで

それを求めちゃいけない。


だから俺は待っている。


彼女が自分で仮面を外すまで

待ち続ける覚悟はできている。



「これ、面白くない?」


彼女が不安そうに首をかしげた。



「君も、泣いてもいいんだよ?」


俺は彼女の身体に縫い付けるように

言ってみたが、



彼女は顔色一つ変えずつぶやいた。


「私は、人の前では

泣かないよ。」