弱虫男子

「あれ?泣かないの?」



彼女がゆるい表情でひやかす。



”あれ?泣かないの?”


はいつからか、

彼女の口癖になっていた。



いつもそうやって

泣き虫の俺をからかう。




俺の機嫌のいい時は、

いつも かな。




彼女は他の友達にそうするように

俺の機嫌もずっとうかがっている。



だから俺の気分を

ちゃんと見極めて、

本当に俺の機嫌が悪そうな時は

空気のように黙ってやり過ごしていた。